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「んー…、ぅー…っ。」
放課後の誰もいない教室に紙とにらめっこしながらよこの唸る声だけが響いていた。その様子がなんとも愛らしくて、おかしくてくすくす笑いながら話し掛けた。
「何唸ってるん…?」
「ひなー…。これなんて書いた?」
そう言って見せてきたのは今日の授業で宿題となった作文だった。
「"将来の夢"とか…決まってへんよ…。」
そう呟けばまた紙とにらめっこしだした。
「何やりたいか書けばええだけやで?大学行ってこんな勉強したいー、とかこんな職業つきたいー、とか…な?」
「あほ…!それがわからへんから悩んでるんやないか!」
ひなちゃんあほや、と悪態吐き必死で考えているよこ。
その様子を見ていたら無性にいじめたくなった。
「俺の夢、教えたろか?」
冗談ぽくそう言えば思ったよりも食い付いてきて勢いよくこちらを向き目を輝かせなになに?、と聞いてきた。
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