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誰も信じられへん。
自分が嫌い、大嫌いや。
なんで俺みたいな奴が居んねやろ、俺なんか必要のない人間、邪魔な存在なんや。
いつもそんなことばかり考えてしまう。
自分のなかでわけのわからない黒い感情が渦巻いている。
そんな感情を消し去るためにいつもカミソリで手首を切っていた。
自分の血を見るだけで安心して今まで考えていたのは何だったんだろう、なんて思ってしまう。
「俺は結局…独りぼっちなんや。」
止まることなく溢れ出る血を眺め呟いた。
きっとひなが居ったら怒るんやろうな。
でもそんな彼ももう居ない。俺1人置いて死んでもうた。
最愛の人が、ひなが死んだというのに涙が一滴もでなかった。
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