Bad Morning

3/8
前へ
/56ページ
次へ
ジミーは文句を言いながらも、 いつもターンオーバーの目玉焼きをペロリと食べてしまう。 「じゃあウィル、 本当はサボってでも会いに行きたいけど担任がうるさいし、 RYUのサインもらって来てね。」 「あぁOK OK」 ジミーの催促に適当な相槌を打ちながら、 ターンオーバーとトーストを平らげると、 ウィルは歯を磨きスーツに着替え、 ホルスターにコルト社製ダブルリボルバー拳銃を、 ポケットに警察手帖を叩き込むと家を出た。 ウィルの実家はダウンタウンの郊外にあり、 警察署へは車で15分の距離にあるため、 彼はいまだに実家に住んでいるのだ。 父親はとっくに定年退職したため、 長男のウィルが実質的に大黒柱となっている。 もっとも殺人課の刑事なんていう、 いつ殉職するかもしれぬ物騒な職場では、 二階級昇進くらいで弟の授業料払うに頼りないが。 そんな事を考えても仕方がないので、 ウィルはエミネムの様な白人でも、 RYUダブシャインの様な日本人の邪道ラップでもなく、 50CENTなど黒人による王道ラップを車内でかけながら職場に向かう。 「50CENTが銃撃された時 不謹慎なゲーム作ったオタクをブタ箱にブチ込みたいぜ。」
/56ページ

最初のコメントを投稿しよう!

155人が本棚に入れています
本棚に追加