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ジミーは文句を言いながらも、
いつもターンオーバーの目玉焼きをペロリと食べてしまう。
「じゃあウィル、
本当はサボってでも会いに行きたいけど担任がうるさいし、
RYUのサインもらって来てね。」
「あぁOK OK」
ジミーの催促に適当な相槌を打ちながら、
ターンオーバーとトーストを平らげると、
ウィルは歯を磨きスーツに着替え、
ホルスターにコルト社製ダブルリボルバー拳銃を、
ポケットに警察手帖を叩き込むと家を出た。
ウィルの実家はダウンタウンの郊外にあり、
警察署へは車で15分の距離にあるため、
彼はいまだに実家に住んでいるのだ。
父親はとっくに定年退職したため、
長男のウィルが実質的に大黒柱となっている。
もっとも殺人課の刑事なんていう、
いつ殉職するかもしれぬ物騒な職場では、
二階級昇進くらいで弟の授業料払うに頼りないが。
そんな事を考えても仕方がないので、
ウィルはエミネムの様な白人でも、
RYUダブシャインの様な日本人の邪道ラップでもなく、
50CENTなど黒人による王道ラップを車内でかけながら職場に向かう。
「50CENTが銃撃された時
不謹慎なゲーム作ったオタクをブタ箱にブチ込みたいぜ。」
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