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雪仁の行動に対して僕は何がしたいんだか全く分からない……
コンコンと僕の部屋のドアを叩く音が聞こえた。
それに対し、僕は「琴音?」と尋ねた。
「お兄ちゃん?入るよ。」
そう言って、僕の部屋に入ってきた妹の琴音。
手にはお盆があり、お菓子とコーヒーが乗せられていた。
「相変わらず琴音ちゃんは美人さんだね」
涼しい笑顔で雪仁が言った。
「雪仁、人の妹に色目使うのやめろよ」
僕は雪仁にそういうと琴音に用件を尋ねた。
「どうした?」
「あっいや雪仁さんが来てるからってお母さんが……」
少しモジモジとして蚊の鳴くような小さな声で琴音が答えた。
「ありがとう。用が済んだんなら自分の部屋に戻れば?」
「そうだね、宿題あるから。じゃあ雪仁さんお邪魔しました。」
冷たく言い放った僕の言葉に琴音は雪仁に一礼して僕の部屋を出た。
「お兄さん、妹ちゃんに冷たすぎじゃね?」
雪仁が琴音が居なくなったドアを指差して言った。
「いつも通りだけど?雪仁が気にするとこじゃないよ」
昔は仲のいい兄妹だったがある事件がきっかけで僕たち兄妹は言葉数の少ない間柄になってしまった。冷たくしてるわけじゃなく、元からそうだから仕方がない。
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