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僕は、夕食に行く前に例の怪しい携帯を開け、待受画面を見つめていた。
画面の中の女の子は、ソファーに横になり、お菓子やジュースを飲みながらお笑い番組を見ているのか、腹を抱えて笑っているように見えた。
そして僕の視線に気づいたのか画面に近づき、顔の前で手をブンブンと振り、これは違うんだ!と言わんばかりに否定していた。僕は携帯を閉じ、夕食にと向かったのだ。
あいつは何をしていたんだ……
昼間の必死の形相は消え、明らかくつろいでるように見えた。
雪仁が来て2、30分が過ぎた頃、再び携帯を開き、僕たちは真相に迫ろうとしていた。
映し出された画面には[入浴中]の貼紙のようなものが写っていた。
そして数分後、濡れた髪を乾かしながら僕たちの前に現れた。
またしても否定するようなそぶり…そして俯き、何かを書きはじめた。
スケッチブックに書かれてたのは[私の声が聞こえるか?]
と書かれていた。
僕は、携帯に向かい、聞こえないと答えた。すると理解したのか次の文字を書きはじめた。
[この携帯のマナーモードを解除してくれ]
そう書かれていたので僕はマナーモードを解除した。
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