15人が本棚に入れています
本棚に追加
解除したと同時に声が聞こえた。少し乱暴な大きな声が僕と雪仁の耳に聞こえた。
『私をいつまでこんな狭苦しい場所に閉じ込めて置く気だ!』
そんなもの知るかよ……
さっきまでくつろいでたじゃないかよ。
つーか声デケェよ……
母さんたちに気づかれたらどうする気だよ。
僕は耳を塞ぎながら答えた。
「お前、誰だよ?」
『私は死神のルーシン様だ!心配するな私との会話は秋時お前と隣の雪仁以外には聞こえない』
死神?ルーシン様?
こいつは何を言っているんだ?
てかなんで僕たちの名前を知っているんだ?とにかく、この会話は母さんたちには聞こえないと言うことはわかった。
『とにかく、ここから出してくれ。話はそれからだ』
出してくれと言われても困る。第一、どうやって出せと言うんだ?ますます訳が分からなくなってきた。
『秋時、お前死神の力はあるか?』
はい?死神の力?そんなものあるはずがない。第一僕は人間だ。しかも名乗ってもいないのになぜ名前がわかる?
不思議な感覚だ……
『まだ目覚めてはいないか……仕方ない、携帯のクリアボタンを長押ししてくれ』
僕は言われた通りにクリアボタンを長押しした。
すると、携帯から煙幕のような黒い煙が出てきた。
黒い煙がなくなると僕と雪仁の前にはフリフリのゴスロリ風の服を着た女の子がいた。明らかさっきまで携帯の中にいた人物とは似ても似つかない。
唯一、似てるといえば、瞳の色と髪の毛ぐらいだ。
最初のコメントを投稿しよう!