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無事、学校にも着き自分の席に着く。
窓側の一番うしろ。日当たりの良い席が僕の席だ。
ここはなぜか好きな場所で席替えの度、指定して決して変わることが無かった。
僕の前に座る、親友の小泉 雪仁(コイズミ ユキヒト)がふいに話し掛けてきた。
「おっはよー!学年一のイケメンにして俺の心の友!渡瀬 秋時(ワタセ アキトキ)くん」
ニコニコしながらフルネームで僕の名前を呼ぶ雪仁には多少なりともムカつきを感じた。
「はよー。ゆっきー。フルネームで呼ぶの止めてくれない?てかなにその変な前書き」
不機嫌そうに嫌味たっぷりに
かつ低音ボイスで雪仁に僕は言った。
「ごめんねーあっきー!いやさほら知らない人の為の親切心だよー」
「あっそ。よく分からないけど」
僕らはそれぞれを
"ゆっきー""あっきー"と嫌味を言うときに呼んでいる。所謂、愛称のようなもの。別に深い意味もなければそういった関係でもない。ただ幼稚園の時から親同士が呼んでいて、軽い気持ちで嫌味を言う時にだけ言うようにしている。
それだけだ。
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