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僕も雪仁も幼い頃から人には見えない、なにかが見えていた。
幽霊とか、死んだ人間の魂だったり…とにかく普通の人には見えないものが僕らには当たり前のように見えていたのだ。
一度だけ雪仁と遊んだ帰り道、浮遊していた女の人の魂が、突然消えたことがあった。
その時は、成仏されたのかと思ったが、消える直前に黒い煙のようなすごく邪悪な気配がしたのを覚えている。
雪仁も感じたらしく、一目散にその場を後にした。
そして、この携帯からは微かに邪気のような悍ましい気配が感じ取れた。
拾った時は分からなかったが、恐らく、電源を入れたことにより放出され、感じ取れたのだろう。
そして画面に再び目をやるとその女の子が何かを訴えるような仕草をしていた。
手の込んだFlashアニメかなにかと思ったが、それは違ったようだ。
画面の内側から僕に訴えるような仕草とその画面を叩くような乱暴な仕草に僕は再び携帯電話を閉じた。
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