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「最後」だって。
こんなにも一生懸命になってくれる人を、こんな風に傷つけてもいいの?
その言葉を聞いた私の心に、一つの想いが生まれる。
翔といると楽しい。
久々にそう思えたのに、簡単に手放してしまってもいいの?
私は気づかないようにしていたけど、もうその大きさは徐々に増していった。
翔に惹かれている自分がいる。
裕一のことを考えて、気づかないフリをしていたのに……。
「取れたっ」
「えっ」
翔の歓喜の声で我に帰った。見てみると、その手には大きな熊のぬいぐるみが握られている。
「はい、百合」
最後だってわかっているのに、そんなに嬉しそうにプレゼントなんてしてこないで。
更に、彼の優しさに惹かれてしまうから。
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