1866人が本棚に入れています
本棚に追加
「お前がそんなんだから……俺はお前に会うことができないんだよ」
裕一の辛そうな声。少しだけ震えている気がする。もしかして泣いているのかな。
そういう私も、泣いていた。
「百合は俺を忘れまいと、自分の気持ち押し殺して、色んな物犠牲にしてきた。お前に自覚はないかもしれないけど、俺はお前の重荷になってたんだよ」
「違う!」
「違わない。証拠にほら、お前は自分で命絶とうとしただろ。俺を忘れたくないって言いながら、俺を忘れないことに疲れたんだよお前は」
「嘘だよ!」
裕一は私の反論をものともせず、心を突き刺すようなことばかり言ってきた。
傷つくってことは、きっと図星なのだ。
分かりたくなかったことを、分からせられる。気づきたくなかったのに、気づいてしまう。
「百合、一緒にいてやれなくてごめんな。いつもみたいに手を繋いでやれなくてごめんな。好きだよって抱きしめてやれなくて……ごめんな」
「謝らないで。これから一緒じゃん」
裕一の言葉に、涙は止まらなかった。このままではまた、お別れがきてしまう。
このまま裕一と一緒にいたいのに。
最初のコメントを投稿しよう!