さよなら

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「お前がそんなんだから……俺はお前に会うことができないんだよ」 裕一の辛そうな声。少しだけ震えている気がする。もしかして泣いているのかな。 そういう私も、泣いていた。 「百合は俺を忘れまいと、自分の気持ち押し殺して、色んな物犠牲にしてきた。お前に自覚はないかもしれないけど、俺はお前の重荷になってたんだよ」 「違う!」 「違わない。証拠にほら、お前は自分で命絶とうとしただろ。俺を忘れたくないって言いながら、俺を忘れないことに疲れたんだよお前は」 「嘘だよ!」 裕一は私の反論をものともせず、心を突き刺すようなことばかり言ってきた。 傷つくってことは、きっと図星なのだ。 分かりたくなかったことを、分からせられる。気づきたくなかったのに、気づいてしまう。 「百合、一緒にいてやれなくてごめんな。いつもみたいに手を繋いでやれなくてごめんな。好きだよって抱きしめてやれなくて……ごめんな」 「謝らないで。これから一緒じゃん」 裕一の言葉に、涙は止まらなかった。このままではまた、お別れがきてしまう。 このまま裕一と一緒にいたいのに。
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