さよなら

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「行こうか」 「うん」 翔と文也と車に乗り込み、発進する。今日は久々に花の家族と会おうということになっていた。 色々あった私と花だけど、彼女の私を思う気持ちは半端ではなくて、これが親友っていうだろうなと痛感している。 車で向かっている途中、花屋さんが見えた。 「翔、止まって!」 「は!?」 いきなりのお願いに、慌ててブレーキを踏む翔。冷や汗をかく翔に、文也を抱っこさせ、花屋さんへと入った。 綺麗な百合の花を包んでもらい、車へ戻っていく。 「……あの場所でいいか?」 久々に見る、翔の真剣な瞳。きっと私が何をしようとしているか分かってくれたんだ。 「うん、お願い」 車はゆっくりと動きだし、あの場所へ向かっていた。 「お前、一人で行く?」 「ううん。着いてきて」 交差点のわきに停めた車からおり、私と翔と文也であの日の場所にたった。
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