恋のかけら

みちしるべ

冷徹、クール、小悪魔、たらし、ヤリマン、遊び人……たくさんの呼び名があるのは私、北山菜々。

別にそう呼ばれていることに反論しようと思わない。だって、少なからず間違ったことは言っていない。

確かにそう言われてもおかしくないことはしている。

「菜々、好きなんだけど」

「あーうん。いいよ。付き合お」

男には全く見境なし。好きと言ってくれれば、誰とだって付き合う。

求められればキスだって、無論、それ以上のことだってする。

そんなことを繰り返す度に、女子からは敬遠され、体目当ての男にたくさん触られた。

いい。それでも。

どうせいつかは朽ち果てるこの体。大事にしてしまうほうがおかしいのだ。