みちしるべ

4/23
前へ
/304ページ
次へ
考えても分からないような答え。道から外れた私は、ただ暗闇の中を突き進む。 元の光に戻りたいと願いながら。 だけど一向に光は灯らなくて、永遠の迷路に迷いこんだ私はもう、光の元へは戻れない。 心の中ではうっすら諦めかけていた。 今更もう……遅いんだって。 「お前調子のってんじゃねーよ」 廊下を歩いている時、ふとすれ違った女子に言われた。顔に見覚えはない。 でもこんなことは日常茶飯事。 私と寝た男の中には、彼女持ちという厄介な奴がいて、こうして恨みの矛先を向けられることがあるのだ。 私から誘うことなんてないのに。 求めてくるのはあっちなのに。 でも、言い返したことはない。
/304ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1866人が本棚に入れています
本棚に追加