みちしるべ

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今まではどっちかと言うと、ちゃらちゃらしている男だった。いかにも遊んでいそうな奴。 廊下ですれ違い様に、告白してきた奴もいたな。 それだけ軽い奴ばかりが寄ってきていたので、こんな風な真面目そうなタイプにびっくりした。 でも、人は見た目では分からない。 もしかしたらこんなひ弱そうな男でも、中身は軽いのかもしれない。 「俺、ずっと北山さんのこと好きでした!付き合って下さい!」 いまどき、どこの純情少年か知らないが、ぷるぷると奮え顔を赤らめている。 柔らかそうな色素の薄い髪、くりくりした垂れ目、背は同じくらい……今まで付き合った男の中では下位グループだな。 そんな風に思いながらも、断る理由は私にはなかった。 「いいよ」
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