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それから光との交際が始まった。
交際とは言っても名ばかりで、私は光に気持ちなんてない。しかし、彼は私にベタ惚れのようだった。
毎日まるで女のように、小まめにメールをしてくる。冷めている私が、それを無視すると電話をかけてきた。
正直鬱陶しかった。
だけど自分から振ることはない。どうせこいつも、私と一度経験すればすぐに消えるだろう。
そう、思っていた。
「菜々、デートしない?」
付き合ってから2週間後。ようやくタメ口にも慣れてきた光が、デートに誘ってきた。
2週間といえば、かなり短いと思われるが、私からしたらかなり長いほう。
いつもは1週間以内に別れていたから。
「いいよ」
「どこ行こうか」
放課後、いつも家まで送ってくれる光。ただ、シャイすぎて未だ手も繋いでいない。
どこまで子供なんだか。
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