ゆっくり。

13/14
前へ
/304ページ
次へ
裏庭についた私は、中々話を切り出せなくて、沈黙が続くだけ。 もうすぐで式が始まってしまうのに。 「用ないなら俺戻るから」 冷たく言い放った泉君。ズキンと痛む胸。やっぱり怖い。だけどね……。 「泉君が……好きです!」 精一杯の想いをぶつけた。 それ以上はもう何も言えなかった。だけど私の想いを全てその言葉に託したから、伝わらなかったら諦めよう。 そしてまた彼をまっすぐ想い続けるんだ。 「おせぇよ」 泉君がそう言った。 やっぱり……そう俯いたとき、急に彼に引き寄せられて、後頭部に手の平。 この仕草は確か。 そう考えている間に、私は口づけを交わしていた。
/304ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1866人が本棚に入れています
本棚に追加