みちしるべ

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走って光の家を出て、自分の家へと駆け込む。 息が苦しい。心臓が異常な程、速く脈打つ。 「菜々!発作がきたの!?」 お母さんが私に駆け寄る。そして意識は薄らいでいった。 闇の中をただ進む、私。 ゴールは見えない。道を示す光もない。私はただ迷路をさ迷っていた。 行き場のない気持ちに蓋をして、ようやく見つけた希望を捨てた。 光、ごめんね。 綺麗で純粋なあなたを、汚したくなかった。もっと、傷つけるなんてできなかった。 間違ったと思われてもいい。 これが私なりの、好きの現し方だった。
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