みちしるべ

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「闇なら俺が照らすよ。ほら、俺の名前、光だし。いつでもそばにいるから……好きだ」 霞む景色の中で見た光は、泣いていたようにも思えた。そしていつもみたいに赤くはなっていなかった。 そうして私も決心する。 「菜々、先生呼んできたよ」 2年前からかかりつけの医者が、私の前に顔を出した。涙を拭い、ハッキリ言った。 「私、手術受けます」 暗闇を照らす光、ようやく見つけたから、私はもう迷わず歩けるはず。
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