みちしるべ

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「頑張って菜々」 「頑張れ」 お父さんとお母さんが涙をのんでそう応援してくれる。 私は病気の進行状況から、すぐにでも手術しなければならないとのことで、目が覚めてから2日後の今日、手術だった。 先生は隠すことなく言った。ずっと病気を放っておいたので、今は成功率30%にも満たない。 あれだけ死ぬことを恐れていた私だけど、それでも手術を決意した。 「菜々……」 手術室に入る前、光が私の手を握る。 「俺がいるから」 何よりも安心できる言葉だった。光があれば、光がいれば、前に進める。 「行ってくるね」 私は手術室に入り、麻酔を打たれ意識を手放した。
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