みちしるべ

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暗い。果てしない闇。 怖い。前が見えない。 こっちの道であっているのかな。私はどこに向かっているのだろう。 そんなとき、声がした。 「菜々」 光の声。 その声は私の後ろからで、向かっていた方向とは逆だった。だけど振り向いた先には、光が灯っていて、私は迷わずそちらに向かった。 この安心感はなんなのだろう。 今まで暗くて恐ろしかった闇も、もう怖くない。 前には光がある。私の道を照らしている。 光は私のみちしるべだった。 「今、行くよ」 光の中に包まれて、私は目を開けた。
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