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ベッドに寝転がり、携帯を開く。そして直ぐさま、拓哉宛てにメールを打つ。
内容は簡単、明日のデートのお誘いだ。
立て続けのデートなんて、本当は疲れるから乗り気じゃないけれど、誠君のことでもやもやした気持ちを晴らしたい。
だからまた、拓哉を利用する。
私はいつまでこんなことを続けるのだろうか。
拓哉の返事は早かった。もちろんOK。だけど疲れるから拓哉の家にしようということだった。
そういえば、7ヶ月付き合っていて拓哉の家に行くのは初めて。いつも街で遊んでばかりだし、学校で会ったりするから。
私もその提案にOKと答え、携帯を閉じた。
拓哉拓哉拓哉。拓哉のことだけ考えよう。誠君は忘れるんだ。
それが一番の解決策。
これで誰も傷つかないのだ。
私が想いを消すだけで、お姉ちゃん、拓哉……色んな人が幸せになるなんて皮肉だね。
そんな時、ドアがノックされた。
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