1866人が本棚に入れています
本棚に追加
きっとこの人は私を癒してくれる力があるって感じたから、付き合うことをOKしたんだよ。
今は、頼らせて。
「拓哉……好きだよ」
「なんだよ急に」
唐突もなく告白する私に照れる拓哉。こんな反応、誠君はしてくれなかった。
1年くらい前、勇気を出して告白した私に誠君は言い放った。
「俺、都の彼氏だから」
分かってるよそんなことは。だけど、あんなことされたら期待して当たり前じゃないか。
なのに、誠君はそう言って私もお姉ちゃんも両方で遊ぶのだ。
「いこっか」
拓哉がそう言い、手を繋いで拓哉の家を目指した。
優しい手の平、誠君とは違う。7ヶ月も一緒にいるんだから、ちゃんと好きになれているはず。
完璧じゃなくても、少しづつでも……。
「ここが俺ん家」
一軒家の前で立ち止まる拓哉。結構立派な家だった。
「凄いね。拓哉の部屋見てみたいし」
「汚いけど……入って」
玄関が開けられ、中に入るように促される。私は少し照れながらも一歩踏み込んだ。
「お邪魔します」
最初のコメントを投稿しよう!