瞳を閉じて

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きっとこの人は私を癒してくれる力があるって感じたから、付き合うことをOKしたんだよ。 今は、頼らせて。 「拓哉……好きだよ」 「なんだよ急に」 唐突もなく告白する私に照れる拓哉。こんな反応、誠君はしてくれなかった。 1年くらい前、勇気を出して告白した私に誠君は言い放った。 「俺、都の彼氏だから」 分かってるよそんなことは。だけど、あんなことされたら期待して当たり前じゃないか。 なのに、誠君はそう言って私もお姉ちゃんも両方で遊ぶのだ。 「いこっか」 拓哉がそう言い、手を繋いで拓哉の家を目指した。 優しい手の平、誠君とは違う。7ヶ月も一緒にいるんだから、ちゃんと好きになれているはず。 完璧じゃなくても、少しづつでも……。 「ここが俺ん家」 一軒家の前で立ち止まる拓哉。結構立派な家だった。 「凄いね。拓哉の部屋見てみたいし」 「汚いけど……入って」 玄関が開けられ、中に入るように促される。私は少し照れながらも一歩踏み込んだ。 「お邪魔します」
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