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「は?」
眉間にシワをよせ、怒りと戸惑いの表情が読み取れる。私は怯まず言葉を続けた。
「正直言うと、拓哉と付き合う前から関係があったんだよねー。つまり、どういう意味かわかる?」
悪魔。
自分に対してこう思うのもどうかと思うが、ぴったりだと思った。拓哉の顔が見れない。
「俺のこと……遊びだったのかよ」
「うん。そうだね」
笑顔を作る。なんとも思っていないフリをして、上から目線を貫く。
「7ヶ月もいたら少しは好きになるかなーって思ったけど、無理、限界きたみたい。でも楽しかったよ。私みたいな最低女忘れて幸せになりなよ!私も拓哉のことなんてすぐに忘れるから」
思ってもいない嘘は、びっくりするくらいすんなり出てきた。拓哉と顔を合わせないまま、早口で伝える。
「……本気で言ってる?」
拓哉が低い声で呟いた。
これは怒ってるな。当たり前か。彼の中で私は。きっと今まで一番最低な女だと言っても過言ではないと思う。
「当たり前じゃん。本気だし」
「じゃあ、何でお前泣いてんだよ」
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