瞳を閉じて

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私のおかしな様子を察してか、今日はいつもより随分と静かな食事になった。 誠君がきた日は、さっきまでのように、2階に声が届くくらい和気あいあいとした食事になるのに。 私のせいだとわかってはいても、今はテンションなんて上げられなかった。拓哉と別れたし、誠君はいるし……。 静かな夕食を終え、「ごちそうさま」もいわずに部屋へと戻った。いつもならうるさい母さんも、この時ばかりは何も言ってこなかった。 部屋に戻り、またベッドに倒れこむ。 どうして、こんなにも元気がないのか分からない。 拓哉は誠君で傷ついた心を癒すための、それだけの存在だったはずなのに。 「莉奈」 ドアのノックと共に、1番聞きたくない声が聞こえた。誠君だ。何をしにきたんだろう。 ……まぁ、目的はわかりきっているけど。 私は返事をせず、ただぼうっとドアを眺めた。するとドアノブが下げられるのが見える。 部屋に鍵なんてついていないので、入ろうと思えば容易に侵入することができた。
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