瞳を閉じて

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「今更誠から話しを聞いたところで何も変わらない。莉奈は嘘なんかついてない。今のが全てなんでしょ」 お姉ちゃんの意思は固いようだった。 私のせいで、2年もの長い間寄り添い続けたカップルが壊れようとしている。胸が痛い。 「莉奈は嘘ついてんだよ!俺がこんなガキに手出すわけないだろ!」 誠君は大声で、嘘をつく。それを聞いても、お姉ちゃんに揺らぐ様子は見られなかった。 「いい加減にして。莉奈は嘘つかない」 そこまでしかばってくれるなんて。本当にありがとうしか言えなくて、ごめんねって罪悪感でいっぱいだった。 誠君は悔しそうに、唇を震わせ言葉を探している様子。 「……はぁ、もういいや。最初からお前ら姉妹とも遊びだったしな。別れてやるよ」 やっと出てきた言葉。私は耳を疑ってしまった。ここまで酷い人だとは思っていなかった。 お姉ちゃんも怒りをこらえ、ただじっとしていた。 「でも、俺だけこうなるのは悔しいからな、仕返ししてやるよ」 誠君はそう言うと、いきなり私の携帯電話を奪いとった。呆気に取られているうちに、彼は携帯をいじりだす。
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