1866人が本棚に入れています
本棚に追加
「今更誠から話しを聞いたところで何も変わらない。莉奈は嘘なんかついてない。今のが全てなんでしょ」
お姉ちゃんの意思は固いようだった。
私のせいで、2年もの長い間寄り添い続けたカップルが壊れようとしている。胸が痛い。
「莉奈は嘘ついてんだよ!俺がこんなガキに手出すわけないだろ!」
誠君は大声で、嘘をつく。それを聞いても、お姉ちゃんに揺らぐ様子は見られなかった。
「いい加減にして。莉奈は嘘つかない」
そこまでしかばってくれるなんて。本当にありがとうしか言えなくて、ごめんねって罪悪感でいっぱいだった。
誠君は悔しそうに、唇を震わせ言葉を探している様子。
「……はぁ、もういいや。最初からお前ら姉妹とも遊びだったしな。別れてやるよ」
やっと出てきた言葉。私は耳を疑ってしまった。ここまで酷い人だとは思っていなかった。
お姉ちゃんも怒りをこらえ、ただじっとしていた。
「でも、俺だけこうなるのは悔しいからな、仕返ししてやるよ」
誠君はそう言うと、いきなり私の携帯電話を奪いとった。呆気に取られているうちに、彼は携帯をいじりだす。
最初のコメントを投稿しよう!