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「ふぅん。和馬の想い人は久美ちゃんだったか」
奏は勝手に納得して頷いていた。違うと言いたいが、もうバレバレのようなので黙った。
「久美ちゃんあんまり目立たないけど、確かによく見ると可愛いよなぁ」
何だか、奏の上から目線にイライラする。よく見なくても久美は可愛い。
そんなことを想いながら、俺以外久美の可愛さを知らなくてもいいという気持ちもある。
「お前うるせえよ。もう黙れ」
お喋りな奏を一喝し、俺は久美から目をそらした。
どうせ、もう二度と叶うことのない恋なんだ。７年もの間、言葉を交わしていないのに、これからどう展開していけっていうのか。
さすがの俺にも、諦めるという選択肢が生まれてきた。
だが、中々久美への想いが消えないから苦労する。
生まれてから久美以外の人を好きになったことがないのに、今更違う人を好きになろうというのも無理な話なのだが。
「なに悩ましい顔してんだか。俺が色々協力してやるって！」
奏はそう言うが、コイツに任せるととんでもないことになりそうなので、大きく首を横に振った。
「やめてくれ」
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