きみの隣

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「よっ!」 「おう」 翌日になり、気まずいながらも登校し、教室に入る。すると奏からの元気の良い挨拶が待っていた。 1日経ち、大分気持ちも落ち着いた俺は、何事もなかったような平然とした態度でいられた。 「さて、昨日あれからどうなったのか聞かせてもらおうか?」 奏はにやにや笑いながら尋ねてきた。 「何を?」 「とぼけんなって。昨日久美ちゃん追いかけて行ったろ?」 奏の返事を聞き、「ああ……」と納得する。しかし、どう答えていいものか。 「別に何もなかったけど」 「嘘つけ。あんな必死で追いかけていって、何もしなかったとは思えねえよ」 どうしても気になるらしく、聞きだそうとしてくる奏。言っていることは大正解だが、頷くわけにはいかない。 「だから何もねえって」 笑いながら、自然に言った。 「……お前なんかおかしくね?そんな余裕もってる奴だっけ?」 「おかしくねぇよ」 「いやおかしい!お前は問い詰められたりしたら、おどおどしてすぐ感情が顔に出るような奴なんだよ。今のお前、普通すぎて気味悪いよ」 友達から気味が悪いなんて言われるとは思わなかった。案外奏は、俺のことをちゃんと見てくれているんだな。
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