七夕のキセキ

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頭をあげて果てしなく広がる黒い海を見渡した。水平線が月に照らされぼんやりと見える。 おり姫とひこ星は、川に阻まれているけれど、私はこの海なのだ。 広大で果てしない海。 越えないと会えない。 目を閉じると浮かぶのはアイツの顔。アイツがいなくなってから、1年も経つというのに、まだ鮮明に思い出せる。 ……好きだったんだ。 アイツこと、勇士のことが。
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