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始業式、入学式が終わり、各クラスに戻ろうとした時、3年生だけ体育館に残された。
何事かと思いざわざわする中、勇士が先生に呼ばれみんなの前に立つ。
みんながシンとし、勇士の言葉に耳を傾ける。
私の胸は、早鐘を打っていた。
本能的に嫌な空気を感じ取っていたのかもしれない。
「残念なお知らせだか、2年間この学校で過ごしてきた、溝口勇士が転校することになった」
先生の声が妙に遠く響いた。
何を言っているんだ?
いや、意味は分かっていた。それでもわからなかった。分かりたくなかった。
「今までお世話になりました。遠くにいても、みんなはずっと友達です。元気でな!」
勇士らしい明るい笑顔で、別れの言葉。
どうして笑えるの?
私はこんなにも胸が引き裂かれそうなのに。
学年中に動揺の波が広がっていた。あまりにも突然の別れだったから。
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