透明な彼女

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それからとても奇妙な生活が始まった。私は亮太の部屋からトイレ以外で出ることはなく、ほぼ引きこもり状態だった。 しかも、亮太は昼間は学校に行っているから1人ぼっち。私も学校に行かなきゃいけないんだけど、亮太から「ここにいて」と忠告されていた。 そんな生活を続けてもう何日?きっと1週間は経った気がする。 とある平日の、なんら変わりのない日。私は亮太との約束を破った。 亮太がいない時は、部屋から出ちゃいけないって言われていたのに、私は暇に堪えかねて出てしまった。 何も考えずにリビングへ行くと、そこには亮太のお母さんがいた。 しまった。亮太のお母さんは専業主婦だから、ほとんど1日中家にいるんだった。
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