透明な彼女

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「こんにちはっ」 慌ててお母さんに挨拶をする。しかし無視されてしまった。皿洗いをしているのだけど、目さえもこちらへは向けてくれない。 怒ってるんだ。 「あの、すいません!何日も泊まらせてもらっているのに、挨拶に一度も来なくて……」 そう、私はお母さんやお父さんに挨拶すらしていなかった。これもやはり、亮太に止められていたから。 食事は亮太がいつも部屋に運んできてくれるのだけど、そのお礼も言っていない。 怒るのは当たり前だよね。 結局、お母さんは一度も目を合わしてくれず、諦めて亮太の部屋に戻った。 また亮太が帰ってくるまで暇だな……。 そんなことを考えながら、いつの間にか眠りについていた。
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