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「お婆ちゃん、この近くに公園ってある?」
「あるけど……急にどうしたの?」
翌日、昼食を食べ終えた私はお婆ちゃんに尋ねた。不思議そうに質問してくるお婆ちゃんに、変に思われないよう自然に答える。
「また散歩に行こうと思って」
「そうなの。いいことね」
お婆ちゃんは嬉しそうに笑い、目尻にシワを寄せた。
「あんた珍しいわね。いつもお婆ちゃん家に来たら、ゴロゴロしてばっかなのに」
横でテレビを見ていたお母さんに突っ込まれ、少し恥ずかしくなった。
自分のやましい気持ち、見抜かれてないといいけど。
「気分転換だよ!あと、ダイエット!」
それなりの言葉を返すと、「ふぅん」と怪しそうに言った。
「待って、地図書いてあげるから」
お婆ちゃんはペンとメモ帳を引っ張り出してきて、机の上で更々とペンを走らせる。
「はい、どうぞ」
「ありがとう」
受け取った地図を見てみると、道は入り組んでいるが、意外と近い場所に公園はあった。
家から近いのに、迷子だなんて……昨日のことを思い出し、赤面する。
「行ってきまーす!」
気にしない、と心に言い聞かせ、私は元気良く家をでた。
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