約束の夏

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胸は今までにないってくらい、激しく高鳴る。 完全に、体の芯から、彼が好きだと叫んでいた。 「わたしも」 彼みたいにさらりとは言えないけど、顔を見ないようにして、声を搾り出した。 「同じだね」 どうしてそんなに、安心するような声色なのだろう。 透き通った声は、耳から入り、しっかりと胸にまで響く。 そして私の全身を痺れさせた。 「ちょっと話そうよ」 「……うん」 帰ろうとお婆ちゃんの家に向けていた足を、即座に公園へ戻した。 誘いを断る理由は、ない。 溢れる好きを止める術も、ない。
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