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胸は今までにないってくらい、激しく高鳴る。
完全に、体の芯から、彼が好きだと叫んでいた。
「わたしも」
彼みたいにさらりとは言えないけど、顔を見ないようにして、声を搾り出した。
「同じだね」
どうしてそんなに、安心するような声色なのだろう。
透き通った声は、耳から入り、しっかりと胸にまで響く。
そして私の全身を痺れさせた。
「ちょっと話そうよ」
「……うん」
帰ろうとお婆ちゃんの家に向けていた足を、即座に公園へ戻した。
誘いを断る理由は、ない。
溢れる好きを止める術も、ない。
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