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「何歳なんですか?」
2人で並んでブランコに座り、早速私は尋ねた。
「16歳」
2歳年上かぁ。
どうりで大人な物腰だと思った。でも不安な気持ちが芽生える。
16歳ということは高校生。
中学生の私なんか相手にしてくれないんじゃないだろうか。
「君は?」
「……14歳」
「中2?」
「うん」
不安ながらも頷く。彼の表情を見ても、気持ちなんて全く分からない。
どう思っているのかな。
また会いたいと思ってくれたのは、気まぐれだったのかな。
「来年受験か。頑張りなよ」
受験を乗り越えた先輩からの言葉は、重く胸にのしかかる。
さらに、彼の言葉だからか、やる気がみなぎってきた。
「うん。ありがと」
それから私たちは他愛もない会話を続けた。
最初は緊張して上手く会話が弾まなかったが、彼のリードにより、段々と楽しくなっていった。
彼のことを知っていくと、またさらに好きになっていく。
一目惚れは勘違い?
そうかもしれない。
だとしても、この胸のドキドキに嘘はない。
私は彼が好きだ。
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