透明な彼女

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開けた瞬間に香る、鼻につくような線香の臭い。部屋は花が飾られてあり、机の上には大きな額縁に入れられた写真が置いてあった。 写真に写っているのは……私? その瞬間、今までにないほどの激痛が私を襲った。 「いやっ!痛い……あぁあ!」 私はもがき苦しみ、頭を抱えてしゃがみこんだ。亮太がそっと私に寄り添う。 「結衣……お前、死んだんだよ」 え? その瞬間、私の中に一気に記憶が流れこんできた。
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