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めいっぱいのお洒落。
うきうきした気持ちで道路を駆ける。
耳障りなクラクション。
迫る大きなトラック。
反転した景色。
「結衣は俺の家に来る途中、トラックに轢かれて死んだんだ」
やっと全てを思い出した。
涙を流す亮太。いつの間にか頭痛は治っていた。
全てのつじつまが合った気がする。
最初に記憶がなくなっていたのは、頭を強く打っていたから。亮太が私を見て驚いたのは、死んだはずの私がいたから。亮太が家から出るなって言ったのは、私が自分が死んでいることに気がつかないようにしたかったから。
亮太のお母さんや、母さんが私に気付いてくれなかったのは……
見えなかったから。
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