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紗耶香が高梨を庇い殴られる、先輩方は少し怯むが、暴行をやめることはしない。
紗耶香の叫び声が聞こえる。
高梨が雄叫びをあげる。
先輩に再度殴りかかるも、返り討ちにされる。紗耶香がまた庇う。
殴られる。
蹴られる。
その繰り返しだった。俺は助けに行こうと思ったのだが、足がすくんで動かなかった。
この状況で飛び出していった紗耶香を本当に尊敬する。それに比べて俺は、情けなさすぎだ。
これだから……紗耶香も俺に振り向いてくれなかったのだろうか。
「こらー!君たち何をやってるんだ!」
そんな時、ナイスタイミングで警察がやってきた。こんな住宅街のど真ん中で乱闘していたので、住民の誰かが通報したのだろう。
先輩たちは焦って凄い速さで逃げていった。警察の人は慌てて追い掛けていく。
高梨と紗耶香はぼろぼろのまま、その場に佇んでいた。
声をかけようかと近づこうとするが、俺にそんなことはできなかったのだ。
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