ゆっくり。

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「じゃあ、またね」 「おー」 私たちはそれぞれの教室で別れる。実は3年生になってクラスは変わっていたのだ。2年の頃は一緒だったけど、流石に3年連続という奇跡は起きなかった。 だけどこの年になって何故か、私は啓介君と同じクラス。美香は残念ながら別のクラスだった。 ばらばらだけど、心は1つ。休み時間には自然といつも4人でいるようになっていた。 「お帰り」 教室に入ると啓介君が笑顔で迎えてくれた。にっこりと笑って返し、自分の席へつく。啓介君は私の前の席だ。 「泉となに話してた?」 興味津津に聞いてくるので、わざと期待を裏切るように返す。 「うーん……普通に世間話とか?」 「なんだよ」 あからさまにガッカリした顔をされた。啓介君と美香は、泉君と私がくっつくことを望んでいるよう。 だけどそれを口頭で伝えられたことはない。きっと、あんなことがあった訳だし、言いづらいんだろうと思う。 私はもう全く気にしていないのにな。
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