愛さなくていいよ

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君と付き合う条件 ・敬語を遣うな ・束縛はするな ・俺のすることに口答えするな ・俺になにか求めるな 命令口調でそう告げられた時、私はそれでもいいと頷いた。それからハッキリこう言ったんだ。 「私のこと愛さなくていいよ」 君こと、磯山遊馬先輩は、3年生でサッカー部のエース。規則違反の明るい髪色に、長身。女の子を魅了する要素をたくさん持ち合わせている。 そんな私は1年の新米マネージャー。なんの取り柄もなく、なにもかもが普通。平々凡々。 きっと誰もが耳を疑っただろう。私と遊馬先輩が付き合うことになるなんて。 自分自身が1番びっくりしているのだから。 入学し、部活勧誘をする先輩たちに囲まれ慌てふためいていた私。慣れない高校という名の聖地と、先輩という絶対的な存在におどおどするしかできなかった。 そこで声をかけてくれたのが遊馬先輩だった。
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