愛さなくていいよ

3/15
前へ
/304ページ
次へ
「君、マネージャーやらない?」 無愛想な顔に最初はびっくりしたが、すぐにその魅力に惹かれた。けだるそうな物腰は、何故か私をドキドキさせる。 分からないけど、ドキドキする。 分からない気持ち、それが恋なんだとすぐに気付いた。 単純な私はサッカー部のマネージャーとして入部し、なるべく遊馬先輩の近くをキープ。 2歳差というハンディもあり、クラスが違う、階が違う、授業が違う……など、何度も悔しい思いをした。 もっとあの人に近付きたい。 もっとあの人に私を見てほしい。 そんな欲求を抑えられなくなった私はついに、遊馬先輩に告白をしたのだ。 遊馬先輩は丁度その時、彼女がおらず、連日告白ラッシュで困っていたのだ。そのタイミングで私の告白。もしかしたら女除けにいいかもしれない。そう思ったんだと思う。 そして告げられた条件。もちろん私に拒否権なんてあるわけがない。二つ返事でOK。
/304ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1866人が本棚に入れています
本棚に追加