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それからというもの、ことあるごとに話し掛けてくる後輩くん。最初こそ戸惑ったが、最近では私も周りもそれが当たり前のようになってきた。
「先輩!俺、絶対レギュラーになりますから」
部活が始まる前、いつものように気合いを入れにくる。1年生でレギュラーなんて、そうあることじゃないのに。
だけどそんなこと言えるわけないから、いつものように受け流す。
「はいはい、頑張ってね」
「先輩が応援してくれると、百倍頑張れるっす!」
可愛らしいこと言ってくれる。素直に嬉しいとは思うよ。愛しいとさえも思えてくる。
でもそれは恋愛としての感情ではなく、まるで自分の子供に注ぐような感情。
よく、2人は付き合ってるのかと聞かれるが、全く有り得ないことだった。
後輩くんを恋愛対象としては見れない。
「本当に、何で後輩くんは美紀なんかに懐いたのかなぁ」
同じ野球部のマネージャー、優子が怪訝そうに呟く。さりげなく失礼な発言だ。私なんかって何よ。
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