恋のかけら

後輩くん

胸が痛いまま、急に後輩くんが黙ってしまうので、気まずい沈黙が流れる。

先に口を開いたのは後輩くんだった。

「先輩、今まで俺のこと鬱陶しいって思ったことありますか？」

なんて答えにくい質問をするのだろう。思ったことがないと言えば嘘になるが、ここは嘘をついておくべきなんだろうか。

何が正しいのか判断できず、黙ってしまう。

「やっぱり。もう俺、先輩とは関わらないんで。今まですいませんでした」

何がどうなっているのだろう。

あまりにも早く展開されていくものだから、頭がついていけない。後輩くんは何を言っているの？

何で謝るの？

もう関わらないって？

意味が分からず理解に苦しむ私をよそに、後輩くんは静かに去っていった。

よく分からないが、後輩くんはもう私に話し掛けてきたり、つきまとったりしないということだろうか。