後輩くん

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いきなり教室に飛び込んできた先輩に、目を丸くしている後輩たち。そんな中、一瞬で見つけられる後輩くんの姿。 「先輩?」 久しぶりにそう呼んでくれたけど、その顔にいつもの笑顔がない。私がこうさせたんだよね。 「言いたいことがあって……」 「外、出ましょうよ」 クラスメートからの注目を浴び、恥ずかしそうに顔を染める。だけどそんなの構っていられない。 すぐに伝えなきゃ。 「後輩くんが好き」 ようやくそう言えた瞬間、教室は静まり返る。徐々に恥ずかしさが込み上げて、顔が赤くなる。 後輩くんが反応するよりも先に、クラスメートたちが沸き上がった。 「すっげー!生告白!」 「先輩オトすなんて格好いい」 様々な言葉が飛び交う中、小さく後輩くんの口が動いた。全神経は彼だけに集中して、もう周りの声なんて聞こえない。
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