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「そっか。お前にそんだけ愛されてる男は幸せだな」
翔はそう笑って言ったけど、すごく傷ついた顔をしているのに気づいていた。だけど私にはどうしてあげることもできない。
裕一への想いは永遠。
「なぁ、1回だけデートしてくんない?」
翔は懲りずに誘ってくる。傷つくの分かってるくせに、どうしてそう行動してくるのだろう。
私だって友達を傷つけるのは嫌だ。
「駄目だってば」
「お願い!一度だけ。それでお前のこと諦めるから」
真剣な瞳。冗談じゃないんだ。
翔が冗談でこんなことを言う人じゃないとは分かってるけど。
「……分かった」
私はデートをすれば諦めてくれるという条件をのみ、日曜の約束に同意した。
それで私への想いを断ち切らなければならないというのに、翔はとても嬉しそう。
そして私の胸は、裕一への罪悪感で痛む。
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