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「空の上まで行くには、どうしたらいいと思う?」
その問いかけはあまりにも唐突で、駅前広場のベンチに座っていた俺は、驚きのあまりベンチから転げ落ちそうになった。
驚いたのは、その問いかけの内容よりもその問いかけを発した人物に対してである。
隣にいるミディアムショートの女の子。
年は俺と同じ、高校一、二年くらい。
一瞬前まで、隣には誰もいなかった。
その問いかけがあるまでは。
――いなかったはずである。
なのになぜ、いつの間に隣に座ったのか――
しかも、どうしてこの娘(こ)が……?
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