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「ひ……飛行機にでも乗れば、いいんじゃない?」
きわめてごく当たり前の面白味もない返答が、自分でもちょっと情けなかった。
いや、混乱極まりない思考回路の中、返答できただけでも上等だ。……と思う。
だが、その少女は不服そうに頬をふくらませた。
「そうじゃなくってぇ! 自分の力で、ってこと」
夢がないなぁ、などと文句を言っているが……。
なぜ、いつから、どうしてここにいるのか。
頭の中で、少女に対する疑問がとめどなく浮かぶ。
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