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“ザクッ・・・”
突然、砂を踏みしめる音がしました。
「まぁ!大変だわ!」
なんという事でしょう!
カルファナはすっかり夢中になっていて、誰かが来たことに気がつかなかったようです。
“ザク・・・ザク・・・ザク・・・”
足音はゆっくり、しかし確実に近付いてきます。
カルファナは慌てて砂の上を這っていき、近くにあった大きな岩の陰に隠れました。
すると、丁度それと入れ違うように、先程までいた岩の陰からひょっこりと人間の青年の顔が覗きました。
カルファナはびくびくしながらそれを見ていました。が、幸い青年はこちらに気がつかなかったようです。しばらくキョロキョロと辺りを見回した後、首を傾げながら岩の後ろへと戻って行きました。
カルファナはほっとして安堵の息を吐くと、海の底へと帰る為、砂浜に背中を向けました。
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