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「わざわざありがとうございます。」
「そんなの気にしなくていいのよ~。一応、うちのアパートの住人だし、心配だものね。」
今、私は弘樹のアパートの大家さんと一緒にいる。
鍵を借りようと事情を話したところ、一緒に弘樹の部屋に行くことになったのだ。
「それにしても……あなた弘樹くんの彼女なのかしら?」
「そんな関係じゃありませんよ。後で友達も来ますし、先に様子を見に来ただけです。」
「そうなの。弘樹くんも隅に置けないわね~。こんな綺麗な子が友達だなんて。」
「ありがとうございます。」
愛想笑い。
この質問が来ることは予想していたので、難なく答えられた。
それに、弘樹と私は本当にそんな関係ではない。
同じ大学の同じ学部、同じサークルに入っているただの友人だ。
………弘樹にとっては、恐らくそうだと思う。
「着いたわね。」
『ピンポーン』
呼び鈴を鳴らす。
…………返事はない。
「これは、本当にヤバいかもね~。とりあえず、入ってみようかしら。」
ガチャ
鍵を開けて弘樹の部屋に入った。
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