one's love

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彼女を初めて見たのはCDとDVDの販売カウンターだった 世間で言われるいわゆるニートの俺はネットの動画サイトで観てファンになったマイナーなバンドのCDが欲しくなりこの店に入った。 『いらっしゃいませ~』 店員の声を聞き流し目当てのCDが並んでいるだろうコーナーに向かう 無い いくら探しても無く、仕方なくカウンターに向かった 『いらっしゃいませ~』 応対にあたたった店員の目が印象的だった。 色白の彼女は肩までの軽くウエーブがかかった髪を耳を出すように何本かのピンでサイドまとめていて薄い茶色が強い大きな瞳 その瞳に一瞬見惚れてしまった。 いや、見惚れただけではなく一目惚れしてしまった。 『あ、あの、《one's》ってバンドのアルバムってありませんか?』 『《one's》ですか?少々お待ち下さい』 少し困った顔をしながら彼女が陳列棚に行き、探し始めほどなくして戻ってくるとパソコンを操作して在庫を確認している 『申し訳ありません、只今店頭在庫は品切れとなっておりますがお時間を頂ければお取り寄せいたしますが』 本当に申し訳なさそうに目を見て話す彼女の瞳に胸の鼓動が早くなる 『あ、あ、じゃあお願いします』 取り寄せの注文書に目をやり、俯いて記入している僕の前には彼女 書き終えて顔をあげるとまた彼女と目が合った。 彼女が微笑む 『入荷次第ご連絡いたします。』
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