第2話

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入学式から数日たったある日の放課後。 季節は桜の花びらが舞い散る春。春、春、春。 窓の外を見ると真新しい制服に身を包み、緊張した面持ちの新入生。 あー、皆若いなぁ…。 あたしも1年前はあんなに若々しかったのになぁ…。 『…人間誰でも年には勝てないのかー。』 『…唯、あんた何言ってんの?』 『……ばばくせぇ。』 『……ッ!!?』 背後から突っ込まれ、勢い良く振り替えると、そこには2つの見慣れた顔。 『1人でたそがれてるなーって思ったらもう…。何考えてたわけー?』 ちょこちょことあたしに近付き、可愛らしく首を傾げる女の子。 桜田あんず。あたしの幼なじみ。 茶色のふわふわした髪に、愛くるしいくらいのおっきな瞳。 …可愛いすぎてぎゅっと抱きしめたくなる。 .
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